学内ロボコン「人生山あり谷あり」 kosenconf Advent Calendar : 2010

この記事はkosenconf Advent Calendar : 2010の参加エントリです.12月25日クリスマス(最終日)を担当しています。

例によって昔話でもしようかと思います。
10年以上前のことなので細部はうろ覚えです。

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福井高専の機械工学科3年後期には創造工学演習という授業がありました。この授業は一言で言うと学内ロボコンのための授業です。毎年あるテーマに沿って2人1組でロボットを設計・製作し、年度末に小さな大会を開きます。

僕が3年のときは「人生山あり谷あり」という題名が付いていて、割とシンプルな障害物タイムアタックでした。

フィールドはこんな感じでした。
上から見た図

横から見た図

左の正方形が30cm×30cmのスタート地点で、ロボットはこの枠に収まる必要があります。高さ制限はありません。
スタート直後には立方体の固定された障害物(山)が多数設置されています。普通のタイヤでは回避困難です。
それを越えると今度は谷が待っています。ロボットはこれを何とかして超えなければなりません。谷には鉄棒が2本かかっており、これを利用することができますが、場合によっては邪魔にもなります。当然ながら落ちたら失格です。フィールド外はすべて崖です。ここに落ちても失格です。
谷を越えると平坦な土地があり、その先にゴール地点があります。
競技はこのフィールドの走破時間を競います。

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ロボットのレギュレーションは以下のとおりです。
・スタート時点で底辺30cm×30cmの直方体に収まっていること
・動力は支給されたタミヤ製モーター4個と、エアシリンダー2個
※エアシリンダーはこれの小さいやつで、金属の棒はコントローラーのボタンを押すと空気圧で5センチほど勢いよく飛び出し、ボタンを離すと引っ込みます。
・フィールドを破壊しないこと

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さて、僕のチームが取った作戦は以下のとおりです。
・山は十字型の特殊タイヤで超える
・谷はロボットの全長を長くし、荷重移動で乗り越える

左図は横から、右図は正面から(図A)

変形後(図B)

ロボット(というより車?)は前部と後部に分かれていて、ちょうつがい(赤い部分)で繋がっています。スタート時点では図Aのように規定スペースに収まるようにロボットは折りたたまれていて、スタート直後に前進しながら図Bのように変形します。このとき、紫の部分ががっちりとハマることによって、ロボット前部と後部は完全に結合します。
前半の山は十字車輪によって難なく超えることができます。
ロボット後部には重り(茶色の部分)が付けられているので、谷に差し掛かってもロボットはそのまま直進できます。ロボット後部の車輪が谷に落ちる直前に、エアシリンダー(緑色の部分)を発動させ、セロハンテープで固定されているだけの重りを力任せにひっぺがし、谷底に落下させます。元々ロボットは前部がやや重く作られているので、重りが無い状態では前方に重心が移動し、そのまま前進させればなんとか谷を越えることができます。

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さて、思い返してみるともっとスマートな方法で課題を解決できそうな気がしてきます。
例えばスタート地点からゴール地点までを巨大な橋で埋め尽くし、あとは悠々と普通の車体で乗り越えていくとか。
例えば谷に掛けられた鉄棒にモノレールのような車輪を引っ掛けて乗り越えるとか。
みなさんも高専時代に出された自由課題を振り返って再考してみてはいかがでしょうか?

メリークリスマス!