空気を読む着信音

「常に測位する低消費電力GPSチップ」がもたらすモバイル機器の近未来──Air Semiconductorに聞く - ITmedia Mobile

このチップを活用すると、例えば携帯電話であれば、よくある写真へのジオタグ挿入や地図・徒歩ナビアプリへの利用はもちろん、「オフィスに着くと着信音が自動でマナーモードになり、自宅に戻ると通常の音量に戻る。高速移動中は自動でドライブモードにする」といった状況に応じた自動制御から「どこかのビルに入ったら、その場所に応じた周辺情報を自動的に表示する」などといった位置情報を元にしたサービス展開も可能になる。

ちょうど今日のランチで隣の席の男性が激しい着信音で電話を受けていた。このとき私はまわりが静かなら静かな着信音になればいいのになと思っていたのだが、このGPSチップが普及して携帯電話や位置情報サービスと深く結びついたとしたら現在地がレストランの中であると判断してマナーモードになってくれるのだろう。さらには常時測位している他人の携帯端末と連動して、静止している人が密集しているときにはマナーモードになるというようなことも可能になるかもしれない。

GPSの常時測位によるサービスはプライバシー問題と表裏一体だが、このチップの登場によって利便性を追求して危険性を排除するための議論・法制が進み、位置情報サービスがより多様化した時代が来ることを期待している。